ザーナーはDiller Scofidio + Renfroの建築家と協力し、ニューヨークのジュリアード音楽院の最近の改築のために、滑るような赤い階段を開発した。 ザーナーはニューヨークのターナー・コンストラクションに対し、デザイン設計された金属加工品の製作を担当した。この2つの階段は、3階から5階までの学校の一番東側に1つずつ設置されている。そこで生徒たちは、隣接する自習スペースを中心に考えをまとめることができる。
階段は、あたかも一枚の金属板からできているように見えるようにデザインされている。実際には、この階段は3/4インチの軟鋼の板を何枚も継ぎ目なく溶接し、丹念に研磨することで、一体化した1枚の金属のように見せている。各ステップは別々のプレートで、左右に90度の角度で曲げられ、階段の両側に溶接されている。階段は標準的な高さと深さではなく、一段一段が最後の一段よりわずかに高くなる「緩やかな階段」になるように配置されている。
金属を溶接する際の問題のひとつに、溶接部に向かって反りやすいという性質がある。手すりとなる長いパイプを溶接するとき、ザーナーはこれが潜在的な問題であることを突き止めた。これが正しく行われなかった場合、階段全体が見上げると左右に反ってしまうのだ。反りを防ぐさまざまな方法を検討した結果、ザーナー氏が採用した解決策は、古い造船技術である、手すりを両側から同時に溶接する方法だった。その結果、精度の高いまっすぐな鋼材ができあがり、建物との接合部はわずか3カ所となった。
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