これらの鉄瓶は、日本に古くから伝わる優れたデザインの紋所をモチィーフにデザインされています。古来文武の重臣たちは、勅許または神紋を賜り、家の紋所、旗印、馬印としました。これら月卿百官の紋所に源を発した紋章は、現在4,560種の多くを数えるに至っています。今回は,四方木瓜、隅切、木瓜型、瓢の紋所をモチィーフに4種類の鉄瓶をデザインしました。弦は本体の形状に合わせて木瓜形を配し、唐蓋のつまみは本体のかたちに調和する菊、松、菊割、瓢を取り合わせました。仕上げは、800度で素焼きをし、酸化被膜を施し、その上に漆の手塗り焼付仕上げを行う古くから伝わる伝統技法を用いています。この仕上げ法を施した鉄瓶で沸かしたお湯から鉄分が摂取でき、お茶のタンニンと反応しておいしいお茶を入れることができます。またこれらの鉄瓶を使かえば、水道水に含まれる塩素(カルキ)もほとんど消すことができます