ヤシの繊維で作られた「チョコ」の花瓶は、口吹きガラスの器を包み込むようなアシンメトリーなカラーブロック模様が特徴。フランス人デザイナーの故ポーリーヌ・デルトゥールと彼女のスタジオとの共同開発によるもので、小さな色のアクセントで部屋を活気づける素敵な機会となっている。
それぞれの花瓶は、コロンビア・アンデス山脈の標高2,400メートルに位置するボヤカ地方で製造されている。この地域には、フィケという植物の葉の繊維を美しいオブジェに加工する長い伝統がある。非常に細いフィケの繊維が、より丈夫な繊維の束に巻きつけられているため、花瓶の輪のひとつひとつに繊細な線が入り、表面にテクスチャーが生まれる。繊維に使用される染料は、木の実や根、樹皮など、この地方に自生する天然成分が主体である。コロンビアでも、こうした伝統的な手工芸の技術は希少なものとなっており、チョコを特別なアクセサリーにしている。
フランス生まれのポーリーヌ・デルトゥールの美学は、印象的なシンプルさと同時に美しいディテールで定義されている。彼女のデザインは、原材料の特質への好奇心を示し、分野間の生産技術を移転している。ポーリーヌ・デルトゥールは、amesの創始者アナ・マリア・カルデロン・カイザーとともにコロンビアを訪れ、現地の素材を直接学び、職人たちから伝統的な織物技術を学んだ。国際的なブランドの家具や製品のデザインを手がけるパリのアトリエに戻ったデルトゥールは、amsのために家具とリビングアクセサリーのシリーズをデザインした。
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